2010年2月カリフォルニア牧場視察 2日目

牧場視察・WORLD AG EXPO2010の報告

Kirby社訪問 アメリカ酪家の現状とKirby社の対応策

まず、Kirby社のArt氏より乳価の低下によるカリフォルニア酪農の深刻な現状と、ミキサーを提供する会社としてのKirby社の状況と対応策について話があった。

2009年はアメリカの酪農家にとって最も悲惨な年であり、 昨年利益は出ていないという。

主な原因として近年、競合飲料の台頭により飲用牛乳の消費量が減退傾向にあるため、生乳の余剰問題が考えられ、またこれに伴った生産者乳価も低迷傾向にある。

生産過剰による乳価の低下とチーズプライスが原因で、銀行はローンを貸し付けず、世界的な景気の低迷により餌代が値上がりし、良質の生乳に必要な乾草も高価になった等の原因から経営は暗礁に乗り上げ、酪農が盛んなカリフォルニアでは、40ヶ所が業界を去っていったという。

カリフォルニアの乳価予測は100ポンド(45.4kg)当たり14.25ドル、6月7月は16.5ドルで生産コストが10~12$なので赤字にはならないようである。

これら深刻な問題の状況下は、Kirby社も例外ではなかったが、日本、メキシコ、サウジ3ヶ国の輸出で助けられたという。現在、Kirby社は更なる規模拡大を計り、アメリカ中部地区の営業に努力している状況にある。しかしながら、厳しい状況に変わりはなくミキサーのリペアや修理依頼は減少傾向にあるようだ。

Kirby社では、このような情勢下で「過剰に在庫は持たない」という対策をとっている。

我々が見学させてもらった大きな工場の中では3台のバーチカルが製造途中であった。 バーチカルタイプとホリゾンタル(4本オーガ)では7:3でバーチカルタイプが売れているという。 しかしながら、ファームショーの方に、出て行っていることもあるのか、従業員はまばらであった。 以前訪問した際、外には新しいミキサーが何台も陳列してあり、工場内では製作中のミキサーが所狭しと並び、施設内が狭く感じたが、今回は何となく施設・工場内が広く感じられた。

Kirby社では、このような情勢下で「過剰に在庫は持たない」という対策をとっている。

Ahlem Dairy
ステーショナルフィードワゴンを採用

Ahlem Dairy ステーショナルフィードワゴンを採用

Ahlem Dairyはジャージーの牧場であり、Kirby社で最初にステーショナリー(TMRセンターのように固定タイプ)ミキサーを導入した牧場である。

定置のバーチカルミキサーを置き、距離が離れている牛舎へ計量機付きフィードワゴンを使って移動し、直接給餌もできるシステム導入している。Kirby社のWEBページで見たステーショナリーLP1400、とトラックマウント2台、配送用1台が忙しそうに動いていた。

近隣の酪農家が出資して作ったチーズ工場に牛乳を出荷しているため、粉塵対策として加水にはチーズ工場から出るホエイを利用し、ミストを発生させながら混ぜている。

52ポイントのロータリーパーラーをわずか2名のメキシカンで搾乳していたり、Ahlem Dairyでは自動車工場で溶接をするようなアームタイプのロボットがデッピングをしていたりと、搾乳中に見た乳房が揃っていたのと、メキシカンの手際の良さが印象的であった。 また、大型経営によりミキサー台数が多くなってくると、カリフォルニアでは定置ミキサーとフィードワゴンの組合せを多くとり入れている。

Ahlem Dairy ステーショナルフィードワゴンを採用

Pareira Dairy
ポイントは乳価、従業員マネージメント、エサ

Pareira Dairy ポイントは乳価、従業員マネージメント、エサ

6年目の牧場。07年に訪問した際は400頭搾乳であったが、現在は、D20パラレルで700頭を2人で5~6時間で搾乳しており、搾乳は一日2回でホルスタイン、ジャージー、F1の牛が混ざっている。

運営は育成牛700頭、乾乳牛140頭と合わせて1540頭を オーナーと、その父の他に7名、合計9名で行っている。耕作面積は220ヘクタールでコーンサイレージ、オーツサイレージ、ヘイを作っている。乳量は28.4から30.3kg、脂肪3.7から4.0。

昨年は1頭あたり1月90から100ドルの赤字。 経営のポイントは乳価、従業員マネージメント、エサだという。

ワーカーの乳房の拭き方がかなり適当だったことが一番記憶に残っている。

2010年2月カリフォルニア牧場視察

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