ミネソタ・アイオワ海外研修 ジュリマー牧場 2018/4/12

4月12日朝、ミネソタ州のジュリマー牧場を訪問しました。

ジュリマー牧場DATA

★経産牛1700頭、搾乳1560頭
★乳量 40.6kg、乳脂肪4.3%、乳たんぱく質3.23%
★1日3回搾乳
★体細胞数 13万
★従業員数 30名

ジュリマー牧場について

写真はオーナーのディーン・ドゥーニックさん。以前一人で経営して失敗した経験から、現在は7人の役員で経営することでうまくいっています。

はじめは25頭の牛から始めて現在は1560頭搾乳しています。BSTは昨年7月に規制のため止めたため、乳量は1.4kgほど落ちてしまったそうです。現在は乳価がとても低い(売上41円に対して乳価40円)ので一つでも間違えれば経営が失敗してしまいます。100ポンドの乳を生産するのにかかる飼料コスト、人件費などのコストを常に意識して仕事しなければならないと語っていました。

コンピューターの自動制御によるミキサー設備

餌を混ぜるミキサーは以前はトラックマウントを使っていましたが4年で壊れてしまったので現在は定置式ミキサーを使用しています。コンピューター制御により粗飼料以外は自動的に投入されるようになっています。風雨を防ぐために建物内に設置しています。いずれは粗飼料の投入も自動制御にするつもりだそうです。

クロス換気の牛舎

最初に建てた牛舎は失敗で、屋根が低すぎ換気が悪かったため、クロス換気の牛舎に改造しました。

牛舎内にはバッフルが設置されており牛に効率よく風が当たるようになっており牛は気に入っているようです。換気のコツは換気扇で空気を牛舎に押し込むのではなく、抜くようにすると牛に均一に風が当たるようになるそうです。

パーラーは10頭Wで「パーラーの牛は淑女のように扱うこと」との標語が

治療が必要な牛はデイリーコンプ305で識別し、自動的に選り分けられるようになっています。

1週間の主なルーティンワークは以下の通り

火曜 妊娠鑑定

水曜 牛移動(カンニュウ、フレッシュなど)

金曜 オブシンク、削蹄

ベッドの砂は再利用

牛舎のベッドの砂は再利用して使っています。1日20kgの砂をベッドに使用します。砂はラグーンに入ると掘り起こしが必要なため、粗い物を使用しています。95%の砂は再利用されます。

リサイクルされた粗目の砂

牧場成功の秘訣

オーナーに牧場成功の秘訣を聞きました。

1、カウコンフォート(砂のベッド、牛を慌てさせない)

2、コスト管理(飼料コスト、人件費に注意する)

3、品質の良い粗飼料

4、ハッピーな従業員

5、ハッピーワイフ(奥さんがハッピーでなければダメ)


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