日々の管理を見直せば乳質は改善できる【リード博士の提言】

アメリカ・ウィスコンシン州の乳質コンサルタント、デービッド・A・リード博士を2012年から日本に招き、全国の牧場を訪問し、各地で乳質改善セミナーを開催してきました。また、2013年からはリード博士の招きでアメリカ、カナダの牧場を訪問し、セミナーもして頂きました。
これまでのリード博士からのアドバイスをまとめました。今回のテーマは『管理技術』です。

乳房炎管理の目標

  • 1日あたりの病牛頭数0.5%以下
  • 1月あたりの臨床性乳房炎の頭数2%以下
  • 乳房炎による淘汰5%以下
  • リニアスコア3以下の頭数85%以上
  • バルク乳の体細胞数150,000

新しい乳房炎の感染

  • ユニットを装着するときの乳頭皮膚および乳頭口についたバクテリアの数に直接関係します。
  • ベストな乳房準備をしても、乳頭皮膚についたバクテリア数を80~85%減らすだけです。
  • 搾乳機器がバクテリアを移動させることがあります。
  • 搾乳機器は乳頭皮膚と乳頭の先の状態に影響することがあります。
  • 新しい感染に搾乳機器が影響するメカニズムはライナースリップです。
  • 搾乳、搾乳機器、消耗品のメンテナンスを見直せば乳房炎感染のリスクを軽減できます。

搾乳、搾乳機器、消耗品のメンテナンスを再チェック

搾乳するときの乳房は汚れていませんか

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ミルクフィルターは汚れていませんか

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ユニットを装着するときの乳頭の先は汚れていませんか?

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ディッピング剤は完全に乳頭を浸していますか

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ディッピング容器は汚れていませんか

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ライナーが伸びていませんか

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ライナーが捻じれていませんか

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エアチューブが切れていませんか

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クローのガスケットを交換していますか

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エアチューブが潰れていませんか

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パルセーターが汚れていませんか

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パルセーターのダイヤフラムを交換していますか

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バキュームレギュレーターは汚れていませんか

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配管の中に汚れがたまっていませんか

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ユニットが傾いて装着されていませんか

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ユニットが捻じれて装着されていませんか

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ミルクホースが長くたるんでいませんか
たるんでいると真空圧が下がります

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ミルクホースを持ち上げただけで真空圧は上昇します

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乳質改善に対する管理責任

  • 適切な機器を使用する
  • 正しい在庫を持つ
  • 搾乳、糞の管理、牛の移動など全般に渡り文書化
  • すべての搾乳者へ適切な訓練と継続した指導を行い、仕事の責任を理解深める

リード博士のルール

牛にとって常にベストのことをしましょう!

追伸:乳房の毛焼き

搾乳中に乳房の毛に付着した雑菌を乳汁や乳房内へ混入させないため、2週間に1度は乳房の毛焼きをオススメします。簡単な方法をお教えします。

  1. 毛焼きしやすいため、乳房が張っている搾乳前に行う。
  2. ディッピングをし、乳頭を炎から保護する。
  3. カセット式バーナーの酸素量を調整し、炎の温度を低く(赤く)する。
  4. 乳房全体の毛を焼く。
  5. 焼けた毛を取り除く。

今月、リードさんが訪問したほぼすべての牧場に2週間に1度は乳房の毛を焼くことを勧めています。搾乳中に毛に付着した雑菌を乳汁や乳房内への混入させないためです。鳥取県西谷牧場様での毛焼きの動画を再公開します。乳頭をディッピング剤で保護し、炎の温度を低く調整すれば牛はまったく暴れていませんね。1.搾乳前に行う。乳房が張っているので毛焼きしやすい。2.ディッピングをし、乳頭を炎から保護。3.カセット式バーナーの酸素量を調整し、炎の温度を低く(赤く)する。4.乳房全体の毛を焼く。5.焼けた毛を取り除く。

Posted by ナスアグリサービス on 2015年11月27日

デービッド・A・リード博士

image1 開業獣医師として15年、獣医師コンサルタントとして15年、搾乳機器メーカーで8年半、その後独立して6年以上アメリカだけでなく世界各地の酪農家および獣医師へ乳質・獣医師コンサルタントとして働く。全米乳房炎協議会(NMC)の会長も務める。また、搾乳管理ソフトの開発、技術協力にも携わる。
日本には2012年から毎年来日し、日本各地の酪農家を訪問して乳質改善に役立つ情報、サービスをナスアグリサービスとともに提供している。


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