カリフォルニア海外研修2012/4/16 AMTS(アグリカルチュアル・モデリング&トレーニングシステム)セミナー

4/16 AMTS(アグリカルチュアル・モデリング&トレーニングシステム)セミナー

講師:Dan Waldner DATA
★カリフォルニア生まれ。カンサス州立大学を卒業。ウエスタン・ケンタッキー大学博士号取得。オクラホマ大学で教鞭を執った後、カーギルに入社。その後、Tulare郡でコンサルタントとなる。30農場40,000頭を管理。

飼料設計が経営に占める割合は15%でしかなく、農場の条件によっての違いや、牛も1頭1頭違うため、栄養の要求量は意味がない。
大切なことは、牛を観察すること。そして、農家とよく話をすること。
飼料設計を獣医がすることはほとんどない。カリフォルニアの農場は飼料原料をメーカーから購入することがほとんどなく、単味中心である。そのため飼料メーカーに左右されない経営をしている。
飼料計算ソフトはどれでも同じ。違いは「チェックできる項目が違う」ということくらいである。
糖分+デンプン質=27~37%の範囲で保つようにしている。
MUNは予想値なので参考値程度にしている。
アメリカ西部はアーモンドの生産が多く、その殻はすべてペクチンで糖分も高くコーンサイレージの代替品となる。コーンサイレージよりも消化がとても良い。ルーメン内での消化が良く、タンニン酸によりバイパス効果も期待できる。
PCを使ってのアミノ酸バランス(リジンとメチオニン)はカリフォルニアでは乳量に反応せず、乳量36Kg以上の牧場でないと意味がない。
CPの値はあくまで結果。ターゲットではない。

Q:飼料設計をどのような手順で行うのか?

まず始めに牛舎に行って牛を見る。
何を給与しているのか、残飼量、乳量、乾物摂取量、実際の給餌手順、ボディコンディション、糞、歩く状態、乳房炎のチェック、周産期病の有無を確認。
それから、餌の単価、添加物の内容の確認。
粗飼料はサンプリングし、いくつかを分析し平均化する。

Q:AMTSとCPMデイリーとの違いについて

CNCPS(コーネル・ネット・カーボン・プロテイン・システム)とCPM(コーネル・ペンシル・ウイリアムマイナー)Dairyは大学の研究用に開発されたソフトで、NRCはその研究者数名で作られた飼料基準である。
CNCPSとCPMDairyはソフトウェア会社に版権を売却し、その後、AMTSとNDSというソフトが生まれた。

Q:飼料計算において最低限チェックする項目は?

★糖分 6~12%、NFC 38~45%(高泌乳)
★ルーメンアンモニア 150(良い) 140~160 170(悪い)
★ADF 17.5~21、NDF 26~32
★Fat 下限3~上限5.5、デンプン 18~24
★MUNは予想値なので12±2、PeNDF 19以上

飼料計算において我々は数値にこだわりすぎた設計をしていたことを痛感させられた。
飼料計算はモニターに用いるもの。重要なことは、牛を観察し、状態を判断することである。
牛の状態を判断するうえでパーティクル・セパレーターやダイジェスション・アナライザーなどを用いて観察することが必要だと感じた。

DATA


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